□サイナスリフト手術(Sinus Floor Elevation)とは
頭蓋骨の鼻の横、上あごには上顎洞という、空洞が存在します。
そこでは鼻から入った乾燥した吸気を適度な加湿を行ってから肺へ導入するという役割
と解剖学的には頭がい骨の軽量化や事故などで強い衝撃が加わった時の
脳への衝撃を和らげる部位などとも言われております。
上顎洞が炎症を起こすと上顎洞炎、蓄膿症などという病気は
同部位に膿汁がたまった病気です。
上顎の臼歯部にインプラントを行うに際して重要なことに
口腔内から上顎洞までのインプラント体を埋入する骨の高さが必要です。
骨量が足りないとインプラント体が上顎洞に突き抜けてしまうため、
固定されないためです。
以前に比べてインプラント体の必要な長さは減少し
(インプラントの歴史参照) 適応が拡大してきてはおりますが、
それでも上あごの骨の高さが足りないケースがあります。
残存する垂直的な骨量によって手術方法が異なります。
インプラント体の初期固定が得られる程度の
最低限の骨の高さがあればソケットリフト手術、
薄い1,2ミリ程度の骨の高さしかなければサイナスリフト手術
という選択をすることとなります。
サイナスリフトの術式
上顎洞という空洞が大きくインプラント体が挿入できない場合に行う手術です。
一度目の手術で上顎洞内に骨補填剤を挿入して、上顎洞内に骨を作ります。
その後、二度目の手術でインプラント体を埋入します。その後定着を待ち
三度目の手術でアバットメント露出(歯肉粘膜を貫通)させますので、
インプラント手術の完成までには手術が一度増え治療期間も長くなります。
術後の痛みはさほど強くありませんが腫れが強く出やすく、術後数日は目が開きにくい程度の腫れがでます。